演 目
半熟卵が煮えた日』
観劇日時/06.7.1
劇団名/箔紐夢劇場
公演回数/番外公演
作/桐田郁 
演出/磯部守 
舞台監督/宮元真名
音響/田村舞子 
照明/渡辺愛里 
舞台装置/濱道俊介
宣伝美術/中村ななみ
劇場/レッドベリースタジオ

生煮えの1時間

 誤解と行き違いで危なくなった二組の恋人が仲直りする物語だが、話の展開に無理と不自然なことが多くて付いていけない。恋人の男に疑われた女の交際相手が、実は兄であったことを何故もっと早く言わないのか? いろいろ言えなかった理由を言い訳しているが、この一番大事な部分が曖昧なので話の根本が崩れる。
次にそれぞれの別組の男女が出した手紙が、それぞれ別の相手に渡ってしまったというのは、偶然としても余りにも都合が良すぎて作為が強すぎる。
占い師の突飛な「蛙占い」を簡単に信じるのもいかにも不自然というか、リアリティが薄い。単なる遊びとしても劇としての味が薄い。
最後に最大の問題は、喫茶店のマスターである一方の当事者の男が、余りにも暗くて陰鬱たる気分になる。何であんなに終始俯き顔で深刻なのか。あれでは宣伝コピーの「ハートフルストーリィ」にはならないのではないのか?
全体にそのマスターともう一方の男の対極的なはしゃぎすぎが水と油で、期待した箔紐夢劇場にしては、何とも白けるばかりの小1時間であった……
出演は守川恵美・和田憲幸・鈴木奈保子・鈴木悠平・福村香奈子・横山昌範