演 目
映 画/嫌われ松子の一生
製作委員会 製作(多企業の集合体)
観劇日時/06.6.15
原作/嫌われ松子の一生 山田宗樹(幻冬社文庫)
脚本・監督/中島哲也
出演/中谷美紀・瑛太・伊勢谷友介・香川照之・市川実日子・黒川あすか・柄本明・他
劇場/札幌シネマフロンテア

生まれて、ごめんなさい

 「生まれて、ごめんなさい」という太宰治の言葉がキイワードになっている映画。悪気はないのに不器用にしか生きられず、遂に自滅するのだが、最後に生き直そうとした希望が、逆に空回りして自滅する女の哀しい物語。
しかしたぶん彼女は不幸とは自覚してはいなかった。むしろ信じるところを一直線に生きた人なのだ。
この映画を観ていて50年以上も前の映画『浮雲』を思い出した。あれは暗い映画だったが、これは同じ様なシチュエーションでありながら途轍もなく明るい。これは時代のせいなのか? 描き方のせいなのか?
幻想場面やアニメーションを多様して現代的なシーンを面白く見せたが、唯一ラストの回想場面はお涙頂戴の安っぽい画面になって些か退屈する。