演 目
MAM
観劇日時/06.6.2
劇団名/劇団しろちゃん
公演回数/S1シアターin北大祭
脚本・演出/小川原香織
劇場/北海道大学S棟1号室

上質な娯楽劇

 フリーターで通販オタクの若い男が、新しく開発された家事専用の女性ロボットを買う。雇用主の命令を全てに優先するこのロボットに、男は恋をする。
一方ロボット製造会社の社長もロボットフリークであり、ロボットたちを使って戦争に参加させて大儲けを企む。怒った男は友人と協力して会社へ乗り込み、大立ち回りのすえロボットの力を借りて、めでたしめでたしの大団円となる。
洒落た遣り取りや、迫力のある殺陣の魅力もあって思わず観てしまったが、かなり虚しい気分になったことも間違いない。大学生がやる芝居なのかと思ってしまったのだ。
なるほど「ハートフル・コメデイ」とは書いてはある。だが、この話は余りにもありきたりで陳腐な発想だ。幼稚過ぎる。せいぜいよくいって中学生、今時の少し気の効いた高校生なら恥ずかしがって、こんな芝居はやらないだろう。
もちろんこの芝居を否定するわけではない。一時の娯楽としては悪くはないだろう。ただ大学生の演劇集団が、この程度の話しか創らなかったことに言い知れぬ焦慮感を感じたのであった。