演 目
COUNT zero
観劇日時/06.5.21
劇団名箱φ〈BOX zero〉
公演回数/第1回公演
作・演出/蠣崎こず恵
劇場/BLOCH

詠嘆調の単純な哲学話

 人は他人の死期を知ったときどうするのだろうか? 15日後に死ぬと分かったおばあちゃん(=志雄)と、なぜかそれを知ってしまった孫娘(=わい)の話。
死期までの日数を書いたプラカードを、首に掛けていく運命の神の使い(=岡野みどり)。その姿は誰にも見えないが、なぜかおばあちゃんと孫娘だけには見える。
演劇としては単なる詠嘆でしかないのが致命的欠陥。決まった運命にどうやって対応していくのかという話なのだが、単に受け入れるだけの孫娘が、嘆くだけではお涙頂戴だけの深みのない展開だ。
祖母の口調がかったるくて眠くなる。もっと普通に喋れと言いたい。いまどき70歳の女性があんな日本昔話みたいな喋り方をするもんか。俺だって71歳だぞ。年寄り差別だ。おばあさんの類型としても実在感がまったくない。せっかくの旗揚げだが、こんな枝葉末節なことに突っ込むだけの虚しさ……