演 目
テノヒラノホシ
観劇日時/06.4.22
劇団名/劇団つくし
公演回数/第10回公演
原案/劇団つくし
脚本/岡安良子
演出/島田裕之
劇場/深川市パトリアホール

自己犠牲の美学

 双子座のある一つの星はエネルギーが尽きて、地球から掌に星のしるしのある女の子を連れてこなければ滅びてしまう。二人の使者が地球へ来た。
日本の某中学校は学校祭、あるクラス出し物は「お化け屋敷」。二人はそこへ潜り込む。なぜか二人は、そのクラスのメンバーになっている。
ここには人間の目には見えない3人の座敷童子が住み着いている。彼らの協力によって、掌に星の印のある子を見つけたが、彼女はすでに月の世界を助ける使命を持つ身だった。他人(月の世界)の幸せを奪っても自分たちの生き残りを求めるのか、矛盾に悩む二人。
一人は地球に残る決意。一人は双子座へ戻って実情を報告し終末を受け入れる覚悟である。双子座へ戻る使者の傍らにはあの座敷童子たちが居た。童子達は本当の意味での人間の優しい心を知っていたのだ。
団員不足で活躍が危ぶまれていた「劇団つくし」だが、こういう舞台を作った成果は評価できる。苦しい中で、物語の原案を作った子どもたちと、それをサポートした親たちに敬意を表したい。
子どもたちの演技は稚拙だが、のびのびとしているから嫌味がなく素直に見ていられる。