演 目
ある日、僕らは夢の中で出会う
観劇日時/06.4.9
劇団名/劇団 国境なき意思団
公演回数/旗揚げ公演
作/高橋いさお
演出/記載ナシ
製作/小嶋雄大・小西智寿
劇場/BLOCH

現実と妄想の行ったり来たり

 男が4人、部長刑事(=日高和泰)、先輩刑事が二人(=梶村龍冬・齋藤裕人)、そして新米刑事(=豊島真之介)である。
TVの刑事物語にドップリの新米刑事は、現実の刑事生活にオーバーな自分の夢を託する。現実の刑事の日常なんてそんなもんじゃないと諭す3人の刑事たちも、かなり変な自己弁護というか、投げやりというか虚無的というか、マンガチックだ。
すでにここで、刑事の日常がTVドラマの刑事物語とも違うし、それ以上に犯罪追求の正義の味方とも違うんじゃないか、一種のフイクションではないかという大枠が徐々に顕になってくる。
そしてさらにこの4人は、一転すると幼女誘拐の4人組になる。場が変わる毎に刑事たちと誘拐犯軍団とを演じる。そしてだんだんにどっちがどっちだか観ている方も混乱してくる。実際、刑事のときは私服だが誘拐犯のときはオレンジ色のつなぎ服を着るのだが、それが混乱してくる。中途半端な正義の裏面暴露か……
現実と妄想との裏表が交錯して、仕舞いにはどちらがどちらか判らなくなっていく過程が、オーバーアクション気味にコミカルに進展する。人気戯曲だから方々で上演されているようだ。
だが、作者・演出者名を公表していないのは良くない。特に作者は人気のある劇作家だから、調べればすぐ判るが、やはりキチンと記載しなければならない。最低の義務であろう。