演 目
エ ア
観劇日時/06.2.25
劇団名/北海道舞台塾
先進的創造活動プロジェクト
劇場/札幌市生涯学習センターちえりあ

遁走の弁

 今年の2月から、北海道新聞の元・演劇記者であった加藤浩嗣氏が、自身の観劇記である『シアター・ホリック』というものをホームページで公開した。これは僕にとって猛烈なプレッシャーになる。
僕は観たものを、すぐその場で書けない。頭の中でこねくり廻して判らないところは調べて、何日もたってからまた読み返して足したり削ったり、まったく不器用な作業をしながら苦心惨憺している。
それが観劇した直後に、加藤氏がこのように軽やかに核心を公開してしまうと、とても強い影響を受けて落ち込んでしまう。それなら読まなければ良いと思うのも当然だが、人間そう簡単には達観できない。そこで僕としては割り切ることにした。
同じ物を観た場合、加藤氏と僕との見方が同じであったり似ているようなときは、どうしたって後から発表する方が不利になる。だから加藤氏の劇評は読む。そしてどこかに違う視点はないかと僕なりに検証する。そしてそれがあった場合にはそれを書こう。また加藤氏が書いていない舞台やたぶん観ていない芝居については遠慮なく今まで通りに書く。というスタンスで臨もうと考えたら気が楽になった。
というわけで、この『エア』については、僕もまったく加藤氏の見方と同じなので撤退することにする。
加藤氏の『シアター・ホリック』をぜひご覧下さい。ただその中に書かれている『水の駅』は、僕はTVでしか観ていないせいかもしれないが、大きな衝撃を受けたのは事実だが、加藤氏のように嘔吐するほど僕の神経は繊細ではなかったことを白状しよう。