演 目
歌劇シンデレラ〜呪われた舞踏会
観劇日時/06.1.28
劇団名/歌劇シンデレラ制作実行委員会
脚本・演出/薮内佳子(劇団くれよん)
振付/高橋千尋
衣装デザイン
舞台美術/小野寺厚子
舞台監督/二唐俊幸
照明/岩ヲ修一
作曲・編曲・ピアノ演奏/堀澤幸恵
制作/薮内佳子・田牧佐知子(劇団くれよん)
劇場/ことにパトス

名作の現代化

 「呪われた舞踏会」というサブタイトル、「目の前で繰り広げられる舞踏会」というコンセプト。話はおそらく中世の多分ヨーロッパのある王国の宮殿で、夜毎に催される貴族たちと貴婦人たちとの舞踏会。そこへ悪魔に操られたメイドのシンデレラが紛れ込む。
王家と貴族たちは、非生産性と圧制によって腐敗した存在になったために、警告する悪魔のメッセージだったという設定であり、シンデレラとの愛に目覚めた王子は、彼女の残した靴を手がかりに彼女を迎えて新しい王になる決意をする。
最近、古典的名作をリライトして現代に訴える作品がよく見られ、これもその一つと考えてもよいであろう。だが残念ながら「目の前で繰り広げられる舞踏会」にしては何とも薄っぺらで生臭いものであった。
まず狭い会場の3方に客席があって観客と演者の距離が近すぎ、床は日常性の強い傷だらけのフローリングで天井は低く、男たちのズボンが現代の洋服そのままであるのも、非日常的で絢爛豪華な舞踏会にはとても思えない。
グランドピアノの生演奏は、基本のBGMと巧くマッチして雰囲気が出ていたが、肝心の役者たちの歌唱力が弱く、浮き上がってしまいとても貧弱だったのが大いにマイナス。
物語はよく出来ているのだから劇場の条件を考えて余り欲張らず、象徴的にするとか一点豪華主義にするとか、何らかの工夫があった方がよかったのではなかろうかと思われる。
出演者は、
悪魔=高橋千尋・斉藤桃代
王子=小川祐介 シンデレラ=森田早苗
王=城島イケル 王妃=木幡有里 大臣=平野孝
貴婦人=亀石しのぶ・田牧佐知子・・下山美里・高橋綾香
メイド=入江千鶴香・中河原しをり・喜井萌希
悪魔・貴族=甲斐大輔・吉田裕斗・長谷川正