演 目
風の誇り
観劇日時/06.1.4
劇団名/新宿梁山泊
公演回数/第32回公演
作/唐十郎
演出/金守珍
舞台監督/村松明彦
劇場/下北沢ザ・スズナリ(演劇のメッカ下北沢・スズナリ飲食店街の2Fにある小劇場)

見られる眼の怖さ

 1930年の浅草・玉木座の文芸部。脚本家志願の田口加代(=渡会久美子)と台本作家の水守三郎(=大貫誉)。
義眼の細工師・湖班(=鳥山昌克)が、義眼を一杯に並べて詰めた奇怪なトランクを持って訪れる。
唐十郎独特の不思議な幻想の世界を、地下の文芸部室に本水の池を造るなど、金守珍がエネルギッシュに唐組とはまた違った華麗な舞台で展開する。
この義眼とは観客の眼であり、30年代の日本あるいは世界の人たちの眼であるということなのであろうか……そしてそれは現代にも通じていく。
大いに期待していた大久保鷹の独特の存在感が、今回は希薄のような気がした。