演 目
りんご(再演)
観劇日時/05.3.2
劇団名/Theater・ラグ・203
公演回数/Wednesday Theater Vol.6
作・演出/村松幹男
音楽/今井大蛇丸
照明オペレーター/瀬戸睦代
音響オペレーター/坂井秋絵
Special Thanks/手品師・野村修一
劇場/ラグリグラ劇場


微細な変化

 何度も観ているし、ほとんど完成されているような戯曲なので、どうしても戯曲と役者の演技との関係を観るようなことになる。
今日の舞台は、女が久しぶりに出演のゆみこの初日。ゆみこは少し硬い感じ。衣裳の変化が少なく、特に1景と3景の衣裳が同じに見えるのは合点がいかない。
何度も言うようだが、この3人の女は同じように見えながら違ったキャラクターであるところに、男が感じ観客が感じる不可解さがあると思うので、同じ女優が演じながら違う女性であるように見えなければ、その曖昧さがなければその不可解さの味が薄くなる。
男の台詞が何箇所かカットされていたような気がした。何度も聞いた台詞だから、あれッ、ちょっと違うかなと感じた部分が何度かあったような気がした。正確には思い出せないが……
ラストで男がニャッと不敵に笑うのは正解だと思う。それによってさまざまな想像が出来るし、戯曲にもそう書いてある。前回その表情がなかったので、変えたのかなとも思い、やや不満が残ったので安心した。
こういう微細なデテールだけを追っていく観方が、はたしてどういう意味があるのか私自身にも分からない。
あまりにもマニヤック過ぎて気が引ける気がしないでもないが、とことん付き合うしかないだろうとも思う。その場合、どういう対応の仕方があるのか、これから試行錯誤をしていかなければならないのであろう。