演 目
ミラクルモンキー悟空
観劇日時/05.2.11
劇団名/人形劇フェスティバル
公演回数/05さっぽろ冬の祭典
作・美術/坪原功和
演出/広瀬智博
音楽/八木幸三・鎌田真由美
演出補/毛利聡
胡弓演奏/観世音華心・荒木一恵・市村泰浩・三浦弘美
アフリカンドラム/Ryu
美術部/木田橋くに子
劇場/やまびこ座


水戸黄門シリーズ? 番外編

 凶暴なる妖鬼・鬼幻姫(高橋千尋)が圧政する鬼幻城の、野菜人間「根大」(山本幸治)と「菜白」(増田南)の夫婦は、ある日人格に目覚めてまるで祖国からの脱北者のように城外へ逃れ、密かに野菜人間のユートピア作りを目指す。
そこへ通りかかったのが、助さん格さんを従えた水戸黄門の一行、イヤ違った八戒(三本木秀子)・悟浄(温泉美智子)と悟空(はらっち)を従えた三蔵法師(池田まき)の一行である。
互いに幻術・妖術を繰り出して闘う鬼幻姫の軍勢と悟空のトリオ。最強の怪物・牙武羅鬼(広瀬勇輝)は、野菜人間を食べれば満足して油断するという弱点を知っている根大は、折角育てた子どもたちを連れて鬼幻城殲滅作戦のために自己犠牲覚悟の出動をする。
全編、人海戦術によるスピードとテンポの良さで次々と変化するシーンに目は釘付けにされる。まるでスーパー歌舞伎のミニ版みたいな派手で切れ味の良い立ち回りと、野菜人間たちの村の場面との巧みなシーンの交差は、エンターテインメントとして十分楽しめる。
野菜人間たちの犠牲によって鬼幻城を完全に壊滅させた水戸黄門一行は、イヤまた違った、三蔵法師一行は、奇跡的に生還した野菜人間の根大とその子どもたち、そして健気な妻、菜白らに見送られて、平和に再生する野菜人間村を後にして西方浄土へ向かう旅路に出発する。
力ある札幌人形劇界は、こうしてお母さんパワーを主力にして、凄いエネルギーと技術力をもってスーパー歌舞伎式「水戸黄門」の一席を楽しませてくれたのでありました。