演 目
A Warp Cafe
観劇日時/05.1.26
劇団名/Theater・ラグ・203
公演回数/Wednesday Theater Vol.14
作/ゆみこ
演出/村松幹雄
音楽/大蛇丸
照明オペレーター/瀬戸睦代
音響オペレーター/坂井秋絵
劇場/ラグリグラ劇場
Special Thanks/手品師・野村修一


深層心理の裏表

 積極的で行動力があり、転職を繰り返しながら自分の納得できる生き方を求めて成功させていく若い女性・ナツキ=吉田志帆。消極的だが安定した今の仕事をつつましく守り、ナツキを親友として頼もしく思う、もう一人の若い女性・サヤ=伊東笑美子。
対極的なこの二人の親友は、ときにお洒落なcafeでお互いの恋の話を弾ませる。
サヤは二股を掛けられて煮え切らない男のことで悩んでいる。だが実はナツキの恋人はサヤの恋人であったらしい。
気がつくと場所はwarpして二人は潮騒の激しい断崖の上にいる。二人の心理状況が断崖絶壁の上という危ない状況にあるという訳だ。
二人の立場は逆転して、二股掛けられて悩んでいるのはナツキであり、男に相手の女と手を切らせようと仕組んでいるのはサヤの方だ。
この男はサヤが二股掛けられて悩んでいる相手の男なのかどうかは分からないし、特定する必要もない。そういう具体性を謎解きする物語ではないからだ。
ここで表現されているのは、自覚されない心の中の裏表であろうか? 人の心の奥の闇の中に発生し深く潜む、自分でも気がつかない疑惑というものの恐ろしさなのであろう。
別に二人の女性がコロス風に登場して、二人の女の状況や不安定な心情を朗詠調に語るのが、敵か味方か、妖精でありまた妖怪でもある人間の二面性をも表わし、客観的な位置にもあって、中々洒落ていて面白い。