演 目
04「踊りにいくぜ !! Vol5」公開選考会
観劇日時/04.6.18
団体名/ジャパン・コンテンポラリィ・ダンス・ネットワーク//NPOコンカリーニョことにパトス
劇場/ことにパトス


新鮮なダンスディスカッション

 4チームの出演者7名のエントリーによる競演。
 2チームについては、観客約15名を交えて、クリティカル・レスポンス・プロセスという独特な方法論によるデスカッションを行う。したがって以下の文は、そのときの審査員と観客の発言も含んでいます。

 「うそ!? ほんと!? うそ!? ほんと!? うそ!? ほんと!?ノノ」 前山香奈
 無音で踊るソロ。
 演者は、「音に影響されたくない、自分の感情だけを素直に表現したかった」モチーフは「社会の現実的な矛盾に対する自分の思い」であると。思いの届かない焦慮感は感じなくもないが、説明されてなるほどというのも問題である。良くいえば若々しいが、荒削りで動きの切れも鈍い感じである。

 「夜明け」              中川希望・古市彩
 同じ体型で同じ衣装のデユエット。軽やかでシャープ。透明感がありピュアな印象。夜明けというタイトルから受けるイメージに規制されるような感じ。衣装は以前に使っていたものの中から一番素朴でテーマに合っていると思われるものを選んだ。振り付けを決めてから選曲をしたそうである。

 「僕のハートソング」           加納佐俊・亀石しのぶ
 物語性が強く、表情も豊かでオムニバスコントみたいな感覚。インパクトは強いが、わかり易いということは深みが足りないということではないのか? という指摘があった。衣装が日常的・具体的なのも判り易かった一因ではないのかという指摘あり。

 「シークレットガーデン」          小泉亮・稲垣ちひろ
 完全にクラシックバレー。バレリーナとしてのテクニックはかなり高度である。だが自分自身の表現の意図と、それを表現する独自性が見られない。演者は「踊りに行こうぜ」というタイトルに惹かれて、今、自分たちで表現できるダンスを力一杯に踊っただけである、と言った。

 なお後日発表された審査結果では、「夜明け」に決定し、その選考理由は、

 ?2人が充分とはいえないまでも、自分たちが表現したいテーマに向かって、自分たちの内面を掘り下げ、ある意図をもって動きを創ろうとしていたこと。
 ?今後、本公演までの期間において、作品に関する掘り下げ、練り上げが期待できること。

と発表された。